文・写真: SIA理事 安國宗道
今回9月15日より17日まで子供支援プロジェクトの一環として南シャン州にある小学校を訪問した。小学校は町の中心から歩いて20分ぐらいの高台にあり、1年生から5年生まで(ミャンマーでは小学校は5年生まで)1学年1クラスの全生徒数100名足らずの小さな小学校である。先生は校長先生を含めすべて女性である。
訪問の第一目的は小学校の生徒に栄養補助食及び文房具を提供することと小学校に水の浄化装置の引き渡しに立ち会うこと。第二の目的は子供たちのビタミン、カルシュウム不足を補う栄養食として現地食材を使用した「ふりかけ」を作って子供たちのお弁当の友になるか反応を見ることである。
1.小学校子供支援
1) 栄養補助食提供
毎回訪問時に実施している栄養補助飲料とパンを全校児童に提供した。
2.浄化装置寄付
現状水道は引かれているが水質に問題があり、下痢を起こす生徒が多いため、浄化装置を寄付することにより安心して飲んでもらえる飲み水を提供するためである。滞在中に取り付け工事は間に合わず、メンバーが次回訪問時確認する。
3.子供たちの発育増進の一助として「ふりかけ」の試食
日本で「ふりかけ」は、約100年前に日本人のカルシュウム不足を心配した人が栄養補助食品として考案されて以来、現在では多くのメーカーから多種類の「ふりかけ」が販売され、日本の食文化にかかせない存在になっている。村の子供たちにもカルシュウム、ミネラルを豊富に含んだ食材で「ふりかけ」を作り、発育・健康増進につながればと考え実施した。
食材は村にあるものを使用して現地でも手軽に作れ、継続できることが目的である。そこで市場で納豆、ゴマ、小魚の干物、干した小エビ、それにお茶を購入し現地スタッフの家で「ふりかけ」造りに取り掛かった。フライパンで水分を飛ばし、砂糖、塩、うまみ調味料(村人が家庭で使用しているものを市場で購入=日本で言う鳥ガラスープの素?)で味付けしたものを日本から持参したミルサーにかけて特製の「ふりかけ」が完成した。
早速、現地スタッフと味見した結果、まあまあの味にできた。スタッフの息子にも試食させたところ(彼は支援している小学校の4年生に在籍)”おいしい”との評価をもらった。
早速我々は全校児童分の「ふりかけ」を作り翌日小学校へ持参、お昼の時間に生徒全員の弁当にふりかけて、感想を聞いてみた。生徒からの評価は皆”おいしい”であった。「ふりかけ」は大成功!今後定期的(1週間2~3回又はいつも常備)に提供するための運営方法を検討しよう。
4.その他日本をPR
前回訪問時、僧院で学習している生徒たちに会った時の事、生徒たちに日本について尋ねたところ、一人として富士山はおろか何一つ知らなかった。それに比べ、韓国については「都市の名前から映画俳優、ファッション、食べ物何でも知っている」と言われ悔しい思いをした。そのため今回、富士山や桜、新幹線、スカイツリー等のA4判の写真を多数用意、また日本の文化の一端としてマンガ(ミャンマーではドラえもんや犬夜叉、ドラゴンボールなどのマンガが中国語や韓国語でテレビ放映されている)の主人公達を同じようにA4判にラミネートして持参、彼らに日本の文化や習慣を知ってもらおうと勇んで乗り込んだ。
ところが何とも間の抜けた話、ミャンマーではこの時期、学校の試験が行われており、僧院に通ってきている生徒は皆、試験のため、町を離れて一人もいなかった。拍子抜けするやらがっかりするやら・・・仕方なく小学校の子供たちに対象を変更、校長先生の許可をもらって授業中の高学年の生徒たちに富士山や桜、新幹線等を見せて世界で有名なことを説明した。
新幹線や高層ビル、スカイツリーの写真を見てどの程度理解してくれたか分からないが自分たちが普段テレビで見ている(勿論日本のものではないが)マンガには歓声をあげていた。
次回はかならず僧院の生徒たちに日本の文化をPRせねば!
※ ミャンマーに対し、周辺国や韓国は国をあげて産業や文化をバックアップしているが日本は自国をPRするビデオすらないのが現状。□